音楽について99。
- 2018年06月25日
- カテゴリー:ブログ
本日も「音楽について。」です。
僕はいつもレッスンの時、なるべくギター・ウクレレのある生活を楽しんで頂けるように、宿題とその目的を具体的にご説明し、足を運んで頂いたレッスン自体も楽しんで頂けるように会話や単語のチョイスを工夫したり、色々考えて時に悩んだりしております。
しかし、それは生徒さんも同じのようで先日、こんな事がありました。
元々は別の教室に通われておられた70代のウクレレの生徒さんお二人。以前の教室で先生のレッスンの進め方が希望とかけ離れていたらしく、お二人でミーティングを重ねた結果、退会して別の教室を探そうという事になり現在はお二人でグリエンに通って頂いております。
前回のレッスンで何気なくいつも通り「調子はどうですか!?」と挨拶ついでに伺ったところ、非常に言いにくそうに『何だか楽しくなくなってきちゃいました…………基礎練習が大切なのは分かるのですが、私たちは曲をやりたいんです…………この基礎練習は旋律としても惹かれないし…………。』と、開始早々決してポジティブとは言い難い現在の心境をお伝え頂きました。
「OK!!OK!!じゃあ、ヤメちゃいましょう!!基礎練なんてクソ喰らえだ!!楽しい事だけやってWe Are Happy!!」…………なんて言えるわけないので、じっくりお話しさせて頂きました。
皆さんが直面する壁というのは決まっています。僕はそれを打開する為の練習方法を知っているので、並行して取り組むと効率よく楽しめる基礎練習を取り入れているのであって「これが出来なければ曲はやらせない!!」とは思っていません。
結局、二者択一です。やりたい曲だけやって同じ所がいつも出来なくて、なんとなくそこは目をつぶって次の曲に進んで同様の仕上がりで妥協するのを繰り返すか、その都度(たまには)じっくり向き合って根本的に上達する力を向上させて曲毎にステップアップしていくか。僕は本音を言えば、後者をお勧めしたいですが、最終的には生徒さんがHappyであれば、それが一番とも考えてもいます。
そのHappyについても、曲を再現する事が全てではないと思います。楽器と自分を思い通りに操ってイメージを形にする楽しみを知らないからそのように考えてしまう訳であって、往々にして二者択一の前者に落ち着きます。それに機会的な運指練習にならないように、僕なりに色々探して練習フレーズが旋律になる本を買ってその中から選んでいるので、きちんと弾ければ楽しめるはずです。
などなど…………僕の思う所をご説明して、それだけでは問題が解決しないので「思い詰め過ぎちゃいましたね。ちょっとだけやってみましょう。」と取り組んで頂き、いくつか改善点を指摘して少しだけ改善に努めてもらい、出来はどうあれ時間で区切って課題曲の方に移りました。
そして課題曲の中で問題のセーハが出てきて上手くいかなかった際に理由をご説明すると『あらヤダ!ホントね〜(笑)』と自覚して下さったので、「ほら〜〜〜さっきの練習で言ったのと同じ同じ〜〜(笑)!!」と、やっと今の気候と同じような空気が晴れてくれました。
お帰りの際に『今日は先生に言ってやろうと思って来たんだけど、言って良かったわ〜。必要性も分かったし(笑)!!』と仰って下さいました。
——————————いや、クレームですか。カンベンして下さいよ…………。僕なりに色々考えてジャッジしてるんですよ。でも、まだまだ配慮が足りないということを学ばせて頂けた。勇気を出して言って頂けて良かった。
逆に、二者択一の後者のパターン。
いつもポジティブに基礎練習に取り組んで下さり、最近では僕が驚かされるようなテンポでソレをこなされる生徒さん。
レッスン開始前に『今回の宿題は難しかったです…………。』と仰ったので「しまった!やり過ぎたか!?」と一瞬ヒヤッとしましたが、『でも、楽しいんですけどね(笑)!!』と続きました。
非常に興味をソソられたので「良かったです。心折っちゃったかと思いました(笑)。因みに、どう楽しいんですか?」と伺ったところ、少しの逡巡の後、笑いながら『出来ない!!って(笑)』。
——————————おお……………。ソレはまさかの“モード【自虐】!!”じゃないですか………………。ウクレレを始めてまだ1年も経っていないのに既にそのモードを搭載されているとは。精神面だけを言えば負けていられないな!!
皆さん僕の気付かない所で色々葛藤されているようです。勿論、僕もしょっちゅう負けないくらい葛藤しております。
それでも、こうして向き合って下さる生徒さんに選ばれている教室である事を誇りに思いますし、感謝しております。
まだまだ未熟者では有りますが、技術以上に心を鍛えて出来るだけ真正面から向き合えるよう精進致します!!!!