音楽について102。
- 2018年07月13日
- カテゴリー:ブログ
本日も「音楽について。」です。
楽器の練習は“ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ”というキャッチコピーのようだと前回の投稿で綴りましたが、ココロにおいて重要なのはモチベーションですよね。本日はその事について。
40代男性(エレキ)の生徒さん。
長い間同じ曲に取り組んで下さっていたのですが、後半は「ハネる」と言うリズムの迷宮に入ってしまわれていたので「ここらで一旦、別の曲にトライして違う道を行ってみましょう。」と言う事になりました(その道から今まで歩いていた道を俯瞰したら今までとは違った景色に見えるハズ)。
と言うワケでやりたい曲を考えて頂いたところ『イージューライダー』(奥田民生)に決定!!←迷路から脱して別の道で旅をすると言う今回のテーマにもピッタリ!
とは言え、この曲はイントロからシンコペーションでコードが変わるので、今回もやっぱり先ずはそのリズムをインストールするところから………………前々回のレッスンはそれだけで終わってしまっていたので正直、心配だったのですが前回のレッスンにお越し頂いた時の反応は僕の予想とは違うものでした。
『いや〜先生、新曲はイイね!!何がイイって、練習する!!このリズムを理解するのに2日かかった(笑)!!』
—————————おお。いろいろと意外……………………リズムを理解するのに2日もかけて下さるとは、ギターを練習するメンタル(どうしても地道な鍛錬が一定量必要)を心得てこられたと言う事かな?ちょっと聞いてみよう。
『いや、最初は全く何にも分からなかったから流石にこの状態で行くのは失礼かなって。小さい時バイオリンやらされてた時は全く考えなかった〝いかにサボるか〟しか考えてなかったけど、大人になったんだね(笑)。久しぶりに追い詰められる感覚だったから頑張った!出来るようになったよ(笑)。』と、なんだか楽しそうでした。
“自分の好きな曲をプレイする”というのではなく、“積み上げたものが形になる”喜びというのは確実にあると思います。そしてそれは積み上げた人にしか分かりません。
そうやって積み上げて始めて見える景色や、感じられるモノがあり、これは精神論を語っているのではなく音楽には非常に重要な要素なのです。いわゆる、“聞こえてくる”ってヤツです。
いや、ホントに少しずつ聞こえてくるんです。コード進行やメロディーやリズムなどが。(少なくともそれらを感じるセンサーの感度が確実に上がります。)
折角、頑張って頂いたのでリズムがギリギリ出来ているだけでは決して開かないその扉を開く為、音量を減らしてみたり、リズムパターンを漫然と繰り返さないで毎度8分音符を1小節分弾いて、骨組みを見失わないようにしたりしながら、認知の歪み(思い込みと現実のギャップ)を修正したりしながら、僕の監視のもとメトロノームと和解する努力をして頂きました。
——————————そろそろ限界かな?そしてタイミング的にも今だな。
そう判断し、一旦リズムの練習は中断。コードという情報を、さっきまで必死こいて構築してきたシステムに入力。
しかもさっきやったリズムよりずっとイージーな4分音符で、いつも通り短く塊で区切りながら、歌いながら。
レッスンの最後、音程は外すけど8分音符は外さない僕の歌の補助ありで一人で弾いて頂きましたが、今までのような決められた動作を無機質にこなすロボットのように弾くのではなく、明らかに音楽的なアドレナリンが出てたようで、まるで少年のように夢中で弾いておられました(笑)。
『クックックックッ…………………超楽しい(笑)!!!!満足の一時間だった(笑)』とご満悦の様子でした。
そのように感じて頂けて僕も嬉しかったですが、そう感じられたのは積み上げて下さっていたからに違いありません。
この先も以前のように壁が立ちはだかるかも知れませんが、この曲の歌詞のように『あの向こうの、もっと向こうへ』行けるように旅の続きを頑張って参ります。