音楽について105。
- 2018年08月20日
- カテゴリー:ブログ
本日は「音楽について。」です。
先日、当教室についてではなく某・大手楽器屋さんの体験レッスンについてのレビューを聞かせて頂く機会があり、思うところがありましたので本日はその事について綴りたいと思います。
グリエンに通って頂いている生徒さんにレッスンの時に伺ったので、当然ご本人が体験レッスンを受講されたのではないのですが、お盆で帰省された際に、チェロを習ってみたいとお考えだったご家族の方から聞いたお話だそうで『30分しか無いのに、その内の15分も楽器の持ち方を説明されたんですよ?先生の服も毛玉いっぱいだったし、なんかガッカリでした………。』との事。
それに対して「私の習っている先生は空気清浄機置いたり、インテリアに気を使って下さったり色々気を遣って下さっているのよ!って言っておきました(笑)。彼女がガッカリしたのは気の毒だけど分かる気がします。私達は非日常を求めているので。」と感想を付け足して下さいました。
—————————ウ〜〜〜〜〜ン……………。楽器の持ち方に15分か…………先生のお考えも、毛玉いっぱいの理由も、受講された方のガッカリもその時の空気感も、全部、想像出来てしまうな……………。取り敢えず、空気清浄機のフィルター交換(竹炭も煮沸)しておいて良かった〜(笑)。毛玉気をつけよ……………。
全てにお応えする事は不可能としても〝非日常〟というワードは勉強になったな。
先月グリエンに体験レッスンにお越し頂いた生徒さんは溝の口が最寄り駅という事で、スタジオのある駅だけに検索すると沢山の教室が出てくるのですが、何故、その中から選んでお越しくださったのか聞かせて頂いた時に『アットホームと言うか、長く続けられそうな教室が良かったんです。』と仰っていました。
楽器の上達に最も重要なのは続ける事です。しかし、それこそが最も難しい事だとも思います。
だからこそ、レッスンに通う事や楽器のある生活を少しでも楽しいものに、生活の中の貴重な時間を割くに値するものにして頂きたいと願い、それを実現する事こそがグリエンの存在意義だと日々あれやこれや試行錯誤している僕にとって、まだレッスンを受けられていない方にHPだけでグリエンの理念が伝わって、そのように言って頂けた事が嬉しかったです。
〝アットホーム〟とは店側が声高に謳う文句ではなく、お越し頂く方に喜んで頂くために誠心誠意仕事をする人間によって作り出される空気の事を言うのだと、愛知県のイタリアンレストランでの仕事を通じて学ばせてもらえていた事に感謝です。そのお店での人生の財産となる出会いや経験がなければグリエンは存在していないですから。
先のレビューを聞かせて頂いた生徒さんは、その日のレッスンで今までの課題曲がギリギリではありますが弾けるようになられて、なかなかに興奮気味でした。
最初の頃は『コード譜と右手と左手のどこを見ながら弾けば良いのですか?その上、足でリズム取りながらなんて無理です。どうやっているんですか?』と仰られていましたが、その日弾いている様子を見ていたら、さもそれが当然であるかのようにコード譜をチラチラ見たりしながら〝弾く〟と言う事を体現されていました。『出来るようになっているでしょ!?ルート音だけを見るようにしたらなんか分かってきました!!2年かかりましたけど(笑)!!』と嬉しそうでした。
2年と言う歳月が長いのか短いのかのジャッジは人によりますが、そこまで積み上げる事が出来たからこそ今までに体感した事のない、未知の領域に入る事が出来たのです。素晴らしいじゃありませんか。
押し続けなければ開く事のない扉を押し続ける事は大変な重労働だと思います。
僕はその扉を一緒に押したり開きやすくする為のツボを伝えたり、力を込めやすい足場を整えたり、念を送ったり、これからも少しでも多くの事が出来るよう模索して参ります。